
今月3日の午後、とあるアパートの階段の片隅にクマゼミがとまっていた。足が動いていたが、触れても飛ぶ気配が無い。衰弱し切って命を終える寸前だったようだ。
その日から1週間前の7月26日。アスファルト道路の片隅で死んでいたアブラゼミも、たぶん同じような最期を迎えたのだろう。アブラゼミが愚鈍だからそんな死に方をしたというわけではなさそうだ。
■生息域の拡大
近年の温暖化で、植物や昆虫の生息域の北上がたびたび話題として取り上げられるが、このクマゼミも例外ではなく、南方系のこのセミも、関西で生息数が増えたとか、関東でも見られるようになったなどという話をたびたび耳にする。どうやら、北限は茨城にまで達した模様。日本海側では、北陸の石川県でもクマゼミの鳴き声が確認されているらしい。
最近になってクマゼミが入り込んできた地域では、クマゼミの鳴き声を知らず、どこかのサイトで、「最初はセミだと思わなかった」という書き込みを目にした。
こちらのサイトでどうぞご確認を…。
「日本のセミの鳴き声」より クマゼミ■クマゼミによる光フィーバー断線被害
クマゼミの生息域拡大で、増えているのが光ファイバーの断線被害。枯れ枝に産卵する習性を持つクマゼミが、幹線から枝分かれした各家庭への引込み線を枯れ枝と勘違いするらしい。大阪市立大学の沼田英治教授(動物生理学)によると、卵を産み付ける硬い産卵管(太さ約1mm、長さ1cm以上)は、光ファイバーの芯線(シリカガラス)を覆うポリエチレンを容易に突き刺さる。少しずつ移動しながら、何回も突き刺して産むのだという。
被害が目立ち始めたのは、家庭向け光ファイバーが普及し始めた2002年ごろから。従来の引き込み線は、設置作業がしやすいよう、小さな溝があった。セミはこの溝に産卵管を刺していたため、同社は溝なしタイプを開発。さらに、産卵ピークが過ぎた昨年8月末から、心線の両側に樹脂の防護壁を埋め込んだ改良型を使い始めた。NTT西日本ネットワーク部の浦川幸司主査は、「この夏は効果を見極めたい」と話している。
※ソース
『クマゼミが光ファイバーに産卵 断線被害続出に対策腐心』[asahi.com]