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 昨日、大工園(だいくぞの)さんという方に会った。

 三文字であること、末尾が「園」であることなど鹿児島らしい苗字として記憶にはとどまっていたが、少数苗字なので、実際にそういう苗字の方と会ったのは初めてのことだった。

 Uターンして以来、鹿児島独特の個性的な苗字に興味を持ち、あれこれと調べているうちに、数多くの珍名や希少苗字があることを知るに至った。

 実際、鹿児島で暮らしていると、そういった苗字を名乗る人と実際に出会うこともあって、そんなときにはちょっと不思議な喜びを感じてしまう。

 南薩地方に位置する枕崎出身の大工園さん。しばしの苗字談義をしているうちに、さらなる超希少苗字を知ることとなった。

 「牟田神東(むたがみひがし)」さん。

 へぇ~~! こんな苗字もあるの!?

 びっくり!

調べてみると、「牟田神西」さんもいらっしゃることが判明。




 苗字に対する興味は常に失せることはなく、スーパーやコンビニの店員さんが付けている名札を見ることも習慣化している。

 「ほこたて」というひらがな表記を見かけた。


 「珍しい名前ですね。どんな字を書くんですか?」

 「『ほこ』は、金偏に「む」です」

 「え? 『む』って?」

 「カタカナの『ム』です」

 「へ~~! そんな字があるなんて、知らなかったよ。やっぱ訊いてみるもんだねぇ。」

 

 
 帰宅後、検索してみたのだが、金偏に「ム」という字は、見つからなかった。

 そんな字は、たぶん存在しない。

 ここからは、想像の域を出ないのだが、その昔、「ほこたて」さんのご先祖様が、「鉾(ほこ)」という画数の多い文字を面倒がり、日常的に「牛」を省略することが常となり、役場にもそのまま登録してしまった。
 その結果、知られざる超珍名が誕生したのではないか…。

 

 苗字に関するエピソードをもう一つ。

 同じく「店員さんの名札」。

 「はなばた」

 七夕みないな響きだと思った。

 「研修中」の札を下げた十代の少女。

 「どんな字を書くの?」

 「花畑(はなばたけ)です」

 にっこりと微笑みながら、弾むように答えた高く細いその声は、まさしく「花畑」のイメージそのもので、こちらもつられて笑ってしまった。

 この苗字、自分でも気に入っているんだろうなぁ・・・。

 瞬間、ちょっと癒されましたね。

=== === === === === === ===



















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「○之段」さん

 鹿児島には3文字の苗字が多い。

 文字構成には幾つかのパターンが存在し、その中には「上ノ園」「竹之内」など、2文字の間に「之」や「ノ」が入るものも数多い。

 この苗字なども、そのパターンに当てはまる。

上之段さん (30%)

 であることに違いはないが、

 初めてこの表札を見たとき、それまで「段」で終わる苗字を見聞きしたことがなかったので、鹿児島らしさよりも、珍しさのほうを強く感じた。


 その後、このような表札にも出会った。

牧之段さん (30%)

西之段さん (30%)



 ということは

 他にもこのパターンに当てはまる苗字があるかもしれない。


 そんな気がして、苗字関連のwebサイトを調べてみると、


 こんな結果が得られた。


牧之段    鹿児島29  全国57
上之段    鹿児島12  全国20
内之段    鹿児島 5  全国10
松之段    鹿児島 7  全国11
下之段    鹿児島 4  全国15


 この数字を見る限り、どれもが鹿児島発祥の希少苗字だと思われる。


 このほか、「之」の字ではなく、間に「ノ」が使われる例も。


下ノ段    鹿児島 5  全国 5
馬ノ段    鹿児島 3  全国 7
牧ノ段    鹿児島 2  全国 2
西ノ段    鹿児島 1  全国 1


 さらに

 「之」の字も「ノ」の字も使われないこんな例もあった。

上段   鹿児島 19  全国 98
堀段   鹿児島  9  全国 10
向段   鹿児島  7  全国 13
井手段  鹿児島  6 全国 17
三段   鹿児島  2  全国  5
釣段   鹿児島  2  全国  6
前段   鹿児島  3  全国  6
枦段   鹿児島  3  全国  3
馬段   鹿児島  1  全国  1
楠段   鹿児島  1  全国  1


 文字的には「ノ」や「之」は含まれないが、

 「井上」を「いのうえ」と読むように、

 「上段」さんは「うえのだん」さん、

 「堀段」さんは「ほりのだん」さん かも知れない。


 これらの苗字を「鹿児島らしい」と感じる人は少ないかもしれないが、当事者やその周辺の方々にとっては、「鹿児島だけに存在する、鹿児島らしい苗字」なのではないかと思う。


 現時点で、知り合いの中に「○之段」さんはいないが、これを読んだご本人や、その知り合いの方が該当する場合、ご一報いただけたら嬉しい。



 ここまでは、全国都道府県中、鹿児島最多の「○段」さんのみに絞って取り上げたが、


 それ以外にも

小段さん  兵庫に43件 (鹿児島11件)
中段さん  広島に16件 (鹿児島 4件)

 という、鹿児島以外のほうが多い2例もあった。


 ということは、

 もしかすると、その他、鹿児島に存在しない、上記以外の「○段」さんも、

 日本のどこかに もっともっと いらっしゃるのかもしれない。



 ==== ==== ==== ==== ====






















重黒木さん

 本日立ち寄った鹿児島市内のローソン某店のレジにて…。

重黒木さん (30%)


 「珍しい名前ですね! なんて読むんですか?」

 「じゅうくろき です」

 「へえ! こういう苗字の人、1人も知らないです」



 調べてみると、この苗字は宮崎県延岡市に集中しており、たぶんこの方も家系をたどると延岡に行き着くと思われる。


=== === === === === === ===






















別府さん

 別府といえば、大方の日本人は、温泉で有名な大分県別府市をまっさきに思い起こすだろう。


 でも、人名としての「別府」さんは、大分ではなく、鹿児島県に最も多い。

別府さん (30%)


 2007年10月までに発刊された全国の電話帳への別府姓の記載数は2600件であるが、そのうち496件が鹿児島県。つまり、別府さんの5人に1人が鹿児島県人。

 別府姓の有名人としての筆頭格は、西南の役で西郷隆盛の介錯をした別府晋介だろう。

 個人的な知り合いの中にも、高校時代のクラスメイトに別府君がいた。


 鹿児島に多いといっても、「別府」という名字から「鹿児島らしさ」を感じ取るのは、ちょっと難しいかも知れない。別府温泉のイメージが強すぎる。

 だが、少し視野を広げると「鹿児島らしさ」が見えてくる。「別府」を含む名字のヴァリエーションが鹿児島には多い。

 「○別府」という、「別府」を含む3文字姓が多数存在するのだが、これがいかにも鹿児島らしい。


上別府さん (30%)

 ↑ 社名ではあるが、ほぼ確実に名字。

下別府さん (30%)

今別府さん (30%)

古別府さん (30%)

春別府さん (30%)

 その3文字名字の上に、さらに一文字加えた4文字名字までが存在する。

上今別府さん (30%)

これも、「いかにも鹿児島」である。島津支配が700年と長きに渡り、武士人口が多増える一方で、名字を増やさなければならなかった事情が窺い知れる。
  
 発音のヴァリエーションにも驚かされたことがある。

 再度登場。

上別府さん (30%)


 この文字列を「かみべっぷ」さんとも「うえべっぷ」さんとも読まない方がいらっしゃる。


 「うえんびゅう」さん

  とか

 「びゅう」さん

 と読む方の存在を最近知った。

 たぶん、少数派だと思う。小学校の同級生で「上別府(かみべっぷ)」さんという女の子がいたが、「うえんびゅう」さんには、まだ直接会ったことはない。

 しかし、80代の父と70代の母は、さすがに鹿児島生活が長いだけあって、「うえんびゅう」さんを知っていると言っていた。



 でもねぇ…


 「別府」⇒「びゅう」


  なんでこう読むの?



  調べてみると、


 「別府」という文字列を「べふ」と発音する地名がある。


 そこでふと考えた。


 
 「蝶々」は、かつて「てふてふ」と表記されていた。


 「てふ」が「ちょう」に化けるのであれば、


 「べふ」が「びょう」に化けても、


 さらには、その「びょう」が「びゅう」に化けたとしても


 それほど不思議なことではない。




 前述の、上別府 を ⇒ びゅう と読むケースについては…、 

 たぶん、単純な省略だと思われる。

 
 だが…


 「上別府(うえんびゅう)」さんはいても

 「下別府(しもんびゅう)」さんは、いない。

 「北別府(きたんびゅう)」さんもいない。


 「別府」部分を「びゅう」と読むのは、


 「上別府」さんに限られる。


 それについては、今のところ謎である。 


   ** **


 以下は、2007年10月におけるの「別府」を含む名字の電話帳記載状況。




 
苗字 全国件数 鹿児島件数  最多県

別府 2,600 496  鹿児島

今別府 402 180  鹿児島
上別府 280 154  鹿児島
西別府 80 44  鹿児島
古別府 53 39  鹿児島
下別府 106 32  宮崎
東別府 46 29  鹿児島
中別府 124 31  宮崎
福別府 35 22  鹿児島
岡別府 24 17  鹿児島
北別府 27 13  鹿児島
渕別府 15 9  鹿児島
春別府 7 5  鹿児島
脇別府 3 2  鹿児島
内別府 1 1  鹿児島
淵別府 5 3  鹿児島
南別府 0 0  古い電話帳には、記載があった模様。
柳別府 6 2  大阪
 

吉ケ別府 14 12  鹿児島
下今別府 1 1  鹿児島
上今別府 3 2  鹿児島

=== === === === === === ===



















=== === === === === ===
 「水田真理」さん




 ではなく




 「水溜」さん

水溜さん b (36%)



 はじめてこの表札を見たときは、珍しい苗字だと思った。

 電話帳をもとに作成されたあるデータによると、全国の分を全部合わせても167件。

 そのうち、ほぼ半数の84件が鹿児島県。全都道府県中もっとも多い。

 2位は青森だが、件数はガクンと減って17件。

 以下

 大阪・長崎 11件

 宮崎 7件

 千葉・富山・愛知 5件

 と続く。


 宮崎の水溜さんは、鹿児島県との県境で旧薩摩藩領だった地域に固まっている。大阪、愛知は、鹿児島からの主な人口流出先。鹿児島県出身者や、何代か遡れば鹿児島に行き着く例も少なくないと思われる。
 

 その「水溜」さん。知り合いは1人もいなかったのだが、最近になってそういう苗字の方と知り合った。


 現在、毎週月曜日から金曜日まで受けている講義で、僕の左隣の席に「水溜さん」がいるのだ。

 でも、周囲で「珍しい苗字ですね」なんていう会話は聞かれない。


 鹿児島県には「たまり」と発音する苗字が、知っている範囲内で「玉利」「溜」の2種類存在する。隣の席の「みずたまり」さんの表記をまだ知らなかった頃、訊いてみた。

 みずたまりさんの「たまり」って、どんな字を書くんですか?

 「さんずいに留めるっていう…」

 「溜めるっていう字ですね」

 「はい、よく訊かれるんですよ」

 「水溜工業っていう会社があって、それで初めて『水溜』っていう苗字があるって知ったんですけど」

 すると、水溜さんは、前の席の人に問いかけた。

 「水溜食品ってありますよね」

 「うんうん」

 鹿児島県に長年住んでいる人にとって、「水溜」はそれほど珍しい苗字ではないらしい。

 以下は、鹿児島県内での分布。

 
  ①指宿市    33件
  ②南九州市  17件
  ③鹿児島市  14件
  ④南さつま市 13件

 知り合いの水溜さんは、指宿発祥とのこと。

 「南薩に多いんですよね」

 と言っていたが、まさにそれを裏付けるデータが出てきた。




 以前紹介したことのある「鏑流馬(やぶさめ」さん。

嫡流馬さんa(30%)


 これと同じ苗字の方も、僕が先月辞めた職場に途中入社してきた。

 そのときも、周囲の誰も、とくに苗字には反応しなかった。

 そんなときは、

 「ああ、ここは鹿児島なんだなぁ!」

 と改めて感じてしまう。


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