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長野県に住んでいた頃、瞬間的にではあるが、ホストクラブで働いたことがあった。

 「えええ~~~~~~!」

 と驚かれそうだが、ホストとしてではなくピアノ弾きとして…。でも、店の雰囲気が好きになれず、すぐ辞めてしまった。基本的にノーギャラで、チップだけで稼がなければならないというのも馬鹿にした話だった。

 それを聞いたあるパブのママさんが、

 「それは余りにも失礼だよ。大したギャラは払えないけど、ウチで弾いてくれる?」

 そういうわけで、その後3ヶ月ぐらいだったかな、今度はその店でピアノを弾いた。女の子目当てで来る客が殆どで、カラオケもあり、結局そこにピアノが入り込む余地が無かった。
 その後、昼間にそこをレッスン会場として無料で貸してもらい、レッスンを行うことになった。
 CDを制作したときには、シンセサイザーによるコンサートを、2度も開かせてもらった。それも無料提供。しかも、その後、南信の伊那だったかな、知り合いのママさんに紹介してくれ、そこの常連さんを相手にコンサートを開かせてもらった。なんだか、メチャメチャ世話になったなぁ…。

 それまでは、水商売の世界とは余り縁がなかったんだけど、知り合いの絵描きさんが行きつけの店を紹介してくれたのが切っ掛けだった。

 また、それとは別に、妹が紹介してくれた居酒屋のマスターが音楽好きで良くしてくれたなぁ…。やはり店をコンサート会場として無料提供してくれて、そこでも2度ほどミニ・コンサートを開いた。

 振り返ってみると、色んな人に、散々世話になっている。思い出すと、全然恩返しも出来ていないし、これからでもなんとかお礼をしなきゃと思う。


 でも、今の介護主体の生活と比べると、遥かに自由で楽しかったなぁ…。
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 ふと思い出したことがある。

 若かりしあの日、彼はこう言った。

 「俺はどっちでもいいべ。」

 函館訛りで発せられたその言葉。
 
 本心は、まったくその逆なのに…。

  知らばっくれている彼の表情が小学生みたいで可笑しかった。言葉の裏には恋心が隠されていることを僕は知っていたから…。

 音大浪人時代、予備校で知り合った友。函館出身で指揮者を目指していた、いつも無精髭の加納君。

 その言葉にたどり着くまでの経緯を簡単に書いてみたい。

 北海道出身の加納君と、鹿児島出身の僕が、どういったきっかけで意気投合していったのかは覚えていない。

 意気投合…。

 ん? ちょっと待てよ…。

 なんとなく意気投合していたみたいに思っていたが、よくよく思い出してみると、

 いやいや、全然そんなことなかった。

 僕はロックと近・現代音楽に傾倒していたが、加納君は、ロマン派のオーケストラ曲に心酔していた。

 1975年といえば、プログレッシヴ・ロック・バンドのエマーソン、レイク&パーマーが3枚組ライヴアルバムを発表した翌年である。19歳だった僕は、キーボード奏者のキース・エマーソンを神と仰いでいたし、彼の作曲による『タルカス』をロック史上最高の名曲だと思っていた。
 
 その曲を、加納君は一言で切り捨てた。

 「くだらんべ」

 「ええ~~~~? なんで?」

 そのそっけない反応は、僕にとってどうにも許し難いものだった。 
 
 彼は答えた。

 タルカスでハモンドオルガンに続いて聴こえてくる、モーグ・シンセサイザーのポルタメントを効かせた吠えるようなフレーズ、あれが「くだらん」というのだ。

 なぜくだらないかという具体的な説明はなかった。

 話を聞いていると、加納君もEL&P結成以前のナイス時代から、キース・エマーソンに興味を持っていたことがわかった。ただし、彼にとってのエマーソンは、「ロマン派音楽的なセンスと情念を感じさせるロック・ミュージシャン」だったみたいなのだ。

 じゃあ、彼の好きな音楽は、どんなものなのかと言えば、

 スメタナ作曲『モルダウ』

 だった。

 それに対する、当時の僕の感想、

 「ただのオーケストラ演歌じゃん!」

 キース・エマーソンやピンク・フロイドが、ジャズや近・現代音楽を取り入れて進歩的ロックを作ったように、そのアイディアの宝庫から無尽蔵の宝を掘り出して、輝ける音楽を作りたい。

 と、そんな、まぁ…、ちょっと妄想にも近い野心を持っていた。

 クラシック音楽に対するスタンスは、全然違っていた。

 そんな二人が、なんで友達になっていったのか…。

 今考えてみると割と単純だ。

 北海道と鹿児島。 

 北と南の田舎者が、なんとなく触れ合うものを感じた。

 そんなところだ。

 加納君は、僕と違ってけっこう率直に自分の本心を明かすタイプで、会話の中で「田舎者だから」を連発したので、そんなところが、僕にとって付き合いやすかった。

 そんな田舎者同士がある日、ある時、

 「ジェット・コースターって、乗ったことあるか?」

 「ない」

 どっちが言い出して、どっちが答えたかは思い出せない。

 「じゃあ、後楽園に行ってみよう」

 そんな話になった。

 すると、加納君がこんなことを言い出した。

 「好きな子がいるんだけど、自分から誘う勇気はないから、めどうから誘ってくれ」

 その申し出を二つ返事で請け負った。

 小柄で可愛い子だったけど、あの頃の僕には恋愛スイッチが入っていなかった。

 なんとも思っていなければ、行動に移すのは簡単だ。

 で、加納君同行で、その女の子と対面し、後楽園遊園地に誘ってみたのだが、

 「え? ジェット・コースターに乗ったことないの?」

 東京生まれの彼女は、

 いまさらジェット・コースター?

 みたいな、田舎者に対する興味薄げな反応だった。

 その後の具体的な会話は覚えていないが、加納君のためを思って、あれこれ誘いの言葉をつないで、ようやくOKを取り付けた。

 その途中で聞かれた言葉が、

 「おれはどっちでもいいべ。」

 という函館訛りの、本心とは、まったくその逆の、小学生みたいな反応だったわけで…、

 「おいおい、お前、人を使って自分は隠れて…、ちょっとずる過ぎない?」

 とも思ったが、

 なんだか

 「こいつ、カワイイやっちゃ」

 みたいな感じのほうが勝った。

 その後、3人でのデートが実現したかというと、

 答えは

「NO」

 よく覚えていないのだが、

 加納君も僕も、住んでたアパートに電話がなかったので、

 クラスメイトの誰かのところに「都合が悪くなった」っていう電話があって、

 伝言があったような…

 そんな気がする。

 今思えば、一旦出したOKも、しつこい誘いをその場で断ち切るための方便だったんだろう。

 でも、そんなこと、なんで今頃思い出したのか…、

 よくわからんのだけど、

 たぶん、今の話に登場した二人は、このことをすっかり忘れているんだろうなぁ。

 もし思い出したとすると、あの時の時の僕の印象は、

 「その気もないくせに、妙にしつこく誘う変な奴」

 だったんじゃないかな…。

 女の子って、相手が自分をどう思ってるかなんて、敏感に察知すると思うしね。

 そんなことを思うと、今さらながら、ちょっとだけ言い訳のひとつもしたくなる。

 でも、

 その後、その彼女と付き合いづらくなったという記憶はなくて、全然普通に接してたと思う。


 みんな若くて楽しかったな。

 今頃、どうしてるんだろ?

暑い夏

 毎日暑いですねぇ…。

 猛暑に関する情報が連日マスコミを賑わせ、最高気温の更新と、4日連続40度超えで、江川崎という地名を新たに覚えてしまいました。

 40度とは、人にとってどのようなものなのかを知らしめる実験映像をテレビ番組で見ました。
 静かに横たわっているだけで、汗がだくだくと流れ出し、Tシャツが濡れタオルのようになっていました。あれは、僕自身、まだ経験したことのない暑さ。

 各地の最高気温が表示された日本地図を、TVでよく目にします。38、39といった数字が並ぶ中にあって、鹿児島はせいぜい35~36度といったところ。あまり目立たないし話題にも上りません。けっこう涼しいのかといった錯覚に陥りそうなくらいですが、それでも35度超は「猛暑」であることに変わりはありません。
 国内から海外に目を移し、東南アジア各国の気温情報と比較してみると、改めて日本の異常高温がよく解ります。

 http://mainichi.jp/weather/forecast/world/world_05.html


 皆様! 熱中症対策を怠ることなく、紫外線を避け、この夏を無事に乗り切ろうではありませんか!

体重増減

 5月23日、母が肺炎で入院して、急に時間が出来た。
 
 退院するまでの束の間の自由だと思い、翌日からラーメンの食べ歩きを開始。

 以後6月22日までの1ヶ月で、23店のラーメン屋を訪れ、計30食を食べた。

 平均すると1日1食だが、毎日食べたわけではない。1日2食という日があったり、ひどいときには、昼食・間食・夕食と、午後だけで3杯食べた。

 無茶である。

 その後1ヶ月の間に、体重が57Kgから3Kg増えて60Kgになった。

 80Kgの人が3Kg増えたのとは訳が違う。

 全体重の5%強が一気に増えたことになる。腹周りが重苦しくなってもいた。
 
 こりゃちょっとマズい…。

 いろんな意味で、これはいかんぞ。
 

 そう思ったので、早速減量に取り掛かった。

 ドラッグイレブンでダイエット補助食品を購入し、1食置き換えダイエットに挑戦した。1日に必要な栄養の3分の1を154kcalという低カロリーで摂取できるというもの。

 満腹感が得られると謳ってはいるが、しっかりとした食事に比べるとやはり物足りない。

 だが、3日もするとそれにも慣れてくる。

 慣れてくると、するすると体重が落ち始め、1ヶ月もすると55Kgまで落ちた。

 3Kg増えた後の5Kg減。元の体重より2Kg軽くなったことになる。

 体重が落ち始めると、減量が面白くなってくる。


 これを機会に理想体重にまで落としてみようか…。

 などと思っていたのに…、

 前の日記に書いた高校の同期生との宴で、ビール、焼き鳥、焼酎、そして「締めのラーメン」までと、久々にしっかりと食べまくったら1夜にして1Kgリバウンド。

 この1Kgがなかなかの曲者だった。

 翌日からまた減量生活に戻したのに、その後1週間は変化がなかった。

 あの「面白いように体重が落ちていった」のとは、明らかに効果は違っていた。

 減り始めていた体重が、たとえ1Kgでもリバウンドしてしまうと、どうやら体が痩せることに抵抗してしまうようだ。

 それでも、ねばっていると、ここにきてまた体重が落ち始めた。

 お腹が完全にスッキリするまで頑張ってみようかな…。たぶん、あと2~3Kgね。

 ところで、20歳の頃は今より8Kgも軽い47Kgだった。だけどその頃は今とは筋肉の付き方が全然違い、やせ細ってガリガリだった。

 今後は病気でもしない限り、そこまで軽くなることはないだろう。53Kgぐらいがベストかな…。

 さて5から6月にかけて、3Kg太ってまで食べまくったラーメン。そのうち13店は初訪問だったわけで、次の日記ではその中で気に入ったラーメンを紹介してみましょうかねぇ。
 天文館某所で待ち合わせて、高校の同期生S君・K君と久々に会った。

 S君とは、鹿児島にUターンした頃連絡を取り、以後数回会っている。

 Uターン直後にS君と再会したときは、20年を経て互いに変貌していたため、ぱっと見で相手を判断できず、何度もすれ違い、待ち合わせ地点付近をしばらく右往左往して、ようやく互いを確認できた。大笑である。

 今回は、このS君に間を取り持ってもらって、現在歯科技工士をしているK君と30年振りに会うわけで、記憶の中にある彼の姿は20代の若者のままで留まっている。還暦近くなった今、どんな姿になっているのか…。

 そんなことを思いつつ、約束の夕方6時より5分ほど前に待ち合わせ場所に到着した。辺りをキョロキョロしてみると、人待ちらしき人が何人かいて、その中には、どことなくK君に似た感じの人もいたので、声をかけてみようかとも思ったが、

 「待てよ」

 一瞬思いとどまった。

 真っ黒に日焼けした若者っぽいファッションに身を包んだ彼は、30代後半くらいだ。これはどう考えても他人のそら似。

 鹿児島の青い空から降り注ぐ紫外線と猛烈な暑さを避け、空調の効いたビルの中にはいり、玄関のガラス越しに外の様子を見ながら、6時を待つことにした。

 約束の時間を3分過ぎた頃、S君の携帯を鳴らしてみると、電話に出た直後にビルの中に入ってきた。続いて現れたのは、なんとさっき見かけた若者! 

 10年前にS君を見紛ったのは、肥大化して想像以上にオッサンになっていたためだったのだが、K君の場合は、その真逆!
 いやぁ…、まぁ見た目だけのことではありますが、いろんな年のとりかたがあるもんですねぇ(笑)

 相手をすぐに認識できなかったのはお互い様で、僕もそれなりに変貌しているからなのだが、これは僕の目線で書いているので、その点については、棚に上げておきます。 

 この夜は、まずS君行きつけの居酒屋『分家無邪気』に行き、ビールと焼き鳥を楽しんだ。
 この『分家無邪気』、天文館の北エリアにある店だが、白熊で有名な『天文館むじゃき』の「分家」なのかと思いきや、ルーツは全く別。
 ※(「分家無邪気」と「天文館むじゃき」)で検索すると、そのあたりの事情が詳しくわかります。


 その次に足を運んだのが、僕がリピートしている『ジパング』っていう三姉妹で運営しているお店。
 パブなのかな? ラウンジとかスナックとかいろんな呼称があるけど、検索してみても、どうも定義が曖昧みたい。
 この店を気に入っている理由は、雰囲気が良くて、いつも気楽に楽しく過ごせること。女性として三人三様の魅力があり、そこに加えて下の二人は大のお喋り好きで、こちらを退屈させない。褒め上手なので、行く度に良い気分にさせられる。
 入口から入ってくるお客を見ていると、皆が一番の得意客みたいな表情で楽しそうに入ってくる。たぶん「大切にされている」っていう思いがあるんだろうね。まだお付き合いの長くない僕にしても、すでにそうだし(笑)

 この夜は、S君もK君も楽しげでした。とくにS君は、ジャズ、ロック、ポップス、国内外、時代を問わず、幅広い音楽事情に精通する「音楽オタク振り」を発揮し、はじけまくってましたねぇ。
 
 

   Zipang ジパング
   鹿児島市山之口町10-8 大和ビル 4F
   電車通りから文化通りを南下し、最初の交差点を右折、そのまま真っ直ぐ進んで左手にあります。

 なかなか発見できなかった場合、お店に電話してみてください。
     099-223-6056



 その後向かったのがラーメン屋『まる錦 桃源』。

 出汁や食材にこだわったバランスの良い味が好きで、個人的には天文館でこれまで食べたベスト3に入る。
 この店と『ふくまん』『元斗好軒』、以上が、現在の同率一位。

 味の好みって時とともに変わるし、未体験のおいしい店も随時加わってくるわけで、「天文館ラーメンマップ」も次第に塗り替えられて行くんだけどね…。

 で、お腹も満足したあと三人は幸せな気分で解散したのでありました。

 ところで、K君の日焼けと若者のようなファッションの理由は、サーフィンだということがわかった。鹿児島県内や宮崎など、あちこちに出向いているということ。高校時代のおとなしかった彼からは、こういうアウトドアな活動は想像できなかったなぁ。

 旧友のこういう細かい近況を知ることができるのも、故郷に住む良さのひとつだよね。

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