
門を出て右へ数メートル歩き、ふと足元を見ると、身の丈数センチという小さなピンクの花が咲いていた。
道路の隅のコンクリートの僅かな隙間から根を張り、芽を出し、ほとんど誰も見ていないところで、ちょっとおどけてバレリーナみたいなポーズを取って咲いているみたいに見えた。
― お、がんばれよ!
と声をかけたくなった。
ある人が、この花の名前を教えてくれた。
「ムシトリナデシコ」というのだそうだ。
*** *** *** *** *** ***
写真など撮ったものだから、以後ずっと、家の外壁のすぐそばに立っているこの小さな花のことが気になって仕方がない。
これは、深夜1時半の姿。

(続きはこちら⇒
小さな花 その後)


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