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 (「その2」の続きです)

*9~12小節 (この部分については、前回書いたものを書き直しました)
 冒頭で鳴らされる主動機を繰り返し鳴らし、統一感を保ちながらも、それ以外の要素において、8小節目までとは対照的に出来ている。

 1~4小節では、バスが低音域の主音にどっしりと留まり、7~8小節で属調ト長調へとすべり込む。旋律は吹き渡る風のように長い呼吸で、立ち止まることを忘れたかのように歌い続け、その動きは1オクターヴ半という広い音域に渡る。
 それに対し、ここではまずバスが5度上の属音Gから開始される。たっぷりと長い響きの三和音ではなく、8分音符で動く軽やかな単音奏で、属音Gから主音Cへと小節ごとに和声機能も移ろう。
 右手と左手は音域が近づき、1~4小節でのたっぷりとした広がりから、もっと身軽な響きへ、そして旋律は8小節間流れを止めなかった長いものから、2小節単位の短いものへと、呼吸を変える。

 楽曲を支える基本的なリズムも、それまでの全音符単位のたっぷりしたものから、もう少しだけ個性を主張し始め、バスの動きが2小節単位で、2拍2拍4拍(ターン・ターン・ターアーアーアン※音符で示せないのがもどかしい)というパターンを形作る。それはエンディングまで変わらない。この基本リズムの変化については、何となくではなく、しっかりと意識的に把握した上で弾きたい。

 1~4小節が、草原のような広々とした安定感を感じさせる情景だとすれば、ここではもう少し小さなアングル、たとえば子犬がじゃれていたり小鹿が跳ねていたりと、かわいい「動き」を強調した部分と言えるだろう。
 9、11小節目で、左手が右手音型と同時にその反行型を鳴らすが、その動きを2匹の動物に例えることもできる。10、12小節目では右手が立ち止まり、左手はその周りを戯れるように動き回る。作者がそのようなつもりで作曲したということは、たぶんないだろうが、学習者にとって、音の動きを視覚的なイメージになぞらえるのも、曲の魅力へと気づかせる有効な手立てとなるかもしれない。

*13~16小節
 13小節から14小節にかけて、和声的な緊張(減七の和音)とそこからの開放という形で、曲のクライマックスが形成される。この部分は右手の5指4指でソプラノをキープしたまま、内声部を弾かなければならず、初心者にとっては弾きづらく、そのことばかりに意識を取られがちだが、表現上大切な場面なので、(A・C・Es・G)→(A・C・Es・Fis)→(G・C・E・G・C・E)という和音の形でゆっくりと弾き、その響きと機能感を確かめると演奏表現のために役立つことと思う(個人的にはこの部分が大好きである。13小節最後から14小節頭への移行は、ト長調として見るとドミナンテからサブドミナンテへの弱進行となり、広がり感がある)。

*17~22小節(コーダ)
 16小節の完全終始以降は、曲の余韻を引っ張っている部分。同主短調からの借用Ⅳ度和音の半音下げられた6度音(As)の、半音下のGへと向かおうとする性質と短三和音の響きから、沈みゆく夕日を見ているような気分が漂い、静かに曲が終わる。最後に左手で2回、テーマの反行型が現れるが、海や湖に映った夕日に例えるのも面白いと思う。

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