

鹿児島市平之町のどこかに、向田邦子住居跡地があることは知っていたが、本日初めてその場を確認。実は、この前を通ったのは今日が初めてではない。今日も、一度は気づかずに通り過ぎてしまった。再度ここに戻ってきたとき、初老の男性が見入っていて、その視線の先に石碑があることに気づいた。それほど何気ない場所なのだ。
向田さんが10歳のときからの2年間を、家族と共に過ごしたこの地は、中心街からそれほど遠くない。歩いて出ることも十分可能。だが、城山の麓にあるこの一角は、傾斜が急で道も細く曲がりくねっており、町並はあまり綺麗だとは言えない。現在は、付近にマンションや病院などのビルと、一戸建ての個人宅が無秩序に並んでいるが、昭和14年~16年当時はもっと落ち着いた景観を見せていたに違いない。
説明文を読むと享年51歳。奇しくも今の僕と同じ年齢。あまりにも若い死だったことを、今日改めて思わされた。
― 故郷の山や湖を持たない東京生れの私にとって、鹿児島はなつかしい「故郷もどき」なのであろう。
エッセイからの一文が、心に染みた。せめてあと20年は、なつかしい「故郷もどき」として感じ続けていただきたかった。
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